2019年7月31日水曜日

浅草『並木藪蕎麦』で、冬に食べる鴨南蛮は類稀なうまさだが、食べてびっくり江戸前にしてはワイルドな山かけは新たな私的浅草定番か


 浅草での仕事を終え夜は新宿で映画を2本。で、その前に、せっかく浅草に来たのだからと、並木藪蕎麦へ。けっこう久しぶりの訪問、しかも、ここへは冬の鴨南蛮が目当てで来ているので、夏の訪問は初めてだと思う。
 18時過ぎ。先客3組がテーブル席で一杯傾けている。小あがりに通してもらって、品書きを眺める。今日は一人だし、酒、つまみはなしということで、さくっと行こう。が、そうなってくると、悩ましい。とりあえず、天ぷら系は除外して、花巻、たまごとじ、山かけに絞り、店員さんにそれぞれの特徴を聞いてみると、花巻、たまごとじは温かい蕎麦で、山かけは、ここのつまみにもあるわさび芋のとろろを店特有の辛い蕎麦だしで溶いて、そばに掛けた冷たいやつだそう。
 それは、うまそうだと、山かけを注文。この後、山かけを注文するお客さんがいたのだが、今日提供できる分は終了とのこと。ちょっと運がよかったね。
 ほどなくしてやってきた山かけ。ひんやりと冷やされた器に、そば、出汁とまとめられて淡い醤油色したいも、そして海苔。何ともシンプル。薬味は、ねぎとわさび。まず、軽く全体を混ぜ合わせて一口。きりっと辛口のいもをまとったそば、こりゃうまい。出汁の味にいもがまったく負けていない。ほんのりと香るそばはこしがしっかりとある。いもの粘りもあいまって、江戸のそばにしてはワイルドかと。わさびをちょこっと、ねぎも少しと加え、食べ進む。こりゃ、いいわ。
 浅草に来たならば、冬でなくとも並木藪、そう思える一品に出会えた。