2017年1月20日金曜日

蕎麦と鴨


 大阪・福島駅周辺は、美味しい店が多いという。この週末、3軒にうかがったのだが、どの店も個性的で、たしかに美味い。
 まずは、福島の蕎麦屋・藤野が今年に入って新規開店させたfoujita。ガレット(蕎麦粉を使ったクレープ)と河内鴨にこだわる店である。
 事前に予約し訪問。メニューは、3700円と5500円のコースを中心に、アラカルトも豊富。どのメニューにも、蕎麦か河内鴨、または両方が使われている。3700円のコースとランス産シャルドネ100%の泡、フェットドールをグラスで注文。コースは、前菜盛合せ、河内鴨のたたき、蕎麦米のリゾット、河内鴨ロースのガレット(赤ワインバターソース)、カンノーロ(デザート)という構成である。


 前菜は、鴨肉のパテ、カルパッチョなど。当然だが、いきなり鴨づくし。スターターとしては、申し分ない。


 続いて、河内鴨のレバー、河内鴨ロースのたたき。コリッとした食感のレバーは、血の味わいに満ちているのだが、塩とごま油が、それを中和。一方、わさびと醤油で食べるたたきはねっとり。これ好きだな〜。
 ドイツの白ヴァルトヴァインを注文。しっかりしているが、料理を邪魔しない。ナイスチョイス。


 次に、蕎麦米のリゾット。鴨出汁のコンソメで炊かれているのだが、鴨南蛮的な和の要素もある。薬味として供される、パクチーの塩こぶ和え、鴨ロース燻製、鴨ロース油かすベーコンを徐々に混ぜ合わせていけば、驚きの変化。新しいな〜。


 河内鴨ロースのガレットが出されるタイミングで、山形タケダワイナリーのサンスフルシードルをグラスでお願いする。
 ガレットには、蕎麦用の出汁が加えられている。だから、蕎麦を食べ終えた時のような風味が口の中に残る。鴨ロースも赤ワインベースのソースと言いつつ、やはり、どこかで和が香る。ドライはシードルが抜群に合う。これぞ、マリアージュ。


 デザートのカンノーロは、イタリア・シチリア地方の伝統菓子。foujitaでは、これをアレンジして生地に蕎麦粉を使用。マスカルポーネチーズと生クリームを注入している。
 ぱりっとした香ばしい生地の中は、冷たくてソフトなソース。想像していた味と違った。ソースが柔らかく生地に染みやすいので、作り置きはできないのだとか。これを残ったワインと共に。
 追加で、肉料理や蕎麦を頼むこともできるのだが、もう無理。ちょこっとずつのはずだったが、気づいてみたら満腹。次は、アラカルトで、鴨のユッケ、そして、蕎麦を楽しみたい。